外国人が突然殺到するようになった“いきなり観光地”を追跡。あえてすべてを見せない大仏や“垂直の階段”、意外な場所にある駄菓子屋も!新たな観光地に出会いました。
■丘から頭がひょっこり「頭大仏」
北海道札幌市。外国人に人気の観光地です。ここ札幌に、突然外国人が殺到するようになった“いきなり観光地”があります。
「他の旅行者に聞いて面白いと思った。札幌の南にある」
札幌の中心部から南へ。車で移動すること40分。到着したのは、一見何もなさそうな公園ですが、外国人観光客がゾロゾロと。彼らのお目当ては?
「丘の向こうにあるの」
「建物に覆われている。ここからは見えないけど、彼がそこにいるのは分かる。とても美しい」
すると、外国人たちが写真を撮り始めました。
「これは素晴らしい。とても美しい」
ラベンダーの丘に大仏の頭がひょっこりと見えます。その名も「頭大仏」です。
「ラベンダーに囲まれて、たくさんのチョウが舞っている。そこに見える大仏はとてもすてき」
大仏までの通路は神秘的な空間でした。
目の前にする頭大仏はなんとも神々しいお姿。高さは13.5メートル。重さは1500トンに及びます。
「とても美しい。平和で穏やか」
「とても荘厳ね」
拝観料は500円。40メートルのトンネルをくぐると出会える大仏様。一目見ようと外国人が殺到し、いきなり観光地となっているのです。
「面白くてとても魅力的。彫刻の形と質感がいい」
■外国人が殺到するきっかけは?
こちらは、札幌市にある「真駒内滝野霊園」。東京ドームおよそ38個分。道内最大級の公園墓地です。
一体、何がきっかけで外国人が殺到するいきなり観光地となったのでしょうか?
「YouTubeを観て来た」
大仏ができたのは19年前。元々は外に出ていました。その後、3年がかりで丘から頭だけが出る姿に作り変えられたのです。こうして、大仏は「頭大仏」と呼ばれるようになりました。すると、YouTubeやSNSなどで拡散され、海外でも知れ渡ることに。いつしか外国人観光客が急増しいきなり観光地と化したのです。
実は、頭大仏が人気になったのは見た目だけではありませんでした。
「タダオアンドウの作品だと知って来た」
そう、この独特な空間は、世界的に有名な建築家・安藤忠雄さんがデザインしていたのです。
「あえてすべてを見せないことで、想像をかき立てる」と外からは全体像が見えないつくりに。近くまで来て初めて、そのお顔を拝むことができるのです。
「コンセプトがとても面白い」
「トンネルを抜けて大仏様に出会うと生まれ変わった感じがする」
外国人は見た目以上のメッセージを受け取っていました。
「安藤忠雄は自然との調和を大切にしている」
さらに、頭大仏がいきなり観光地となったことで、街にも変化が起こりました。今年4月から、この霊園のバス停の名前が変わったのです。霊園名だったものが「頭大仏前」に。英語名も表記されました。
なんとも神々しい頭を目指し、この夏、多くの外国人が足を運んでいます。
■“最強に恐ろしい階段”が観光地に
ところ変わって岐阜県。温泉で有名な下呂市にも“いきなり観光地”があります。
なにやら橋の上に人だかりが。目を疑う恐怖の光景が広がっていました。
東京から
「この辺から見た方がヤバい」
彼らの目線の先には垂直の階段が!?人呼んで“最強に恐ろしい階段”。
すると、一人の勇者が恐る恐る降りていきます。最強に恐ろしく見えますが、なんだか楽しそう。
この階段が“いきなり観光地”になっているんです。
埼玉から
「スゴくない、壁登っている」
皆さん、記念撮影。
オーストラリアから
「アレよ」
「アレだね」
オーストラリアから来た家族も記念撮影。
「カッコイイね。ハシゴのようにまっすぐ立って見えるのがおもしろい」
いきなり観光地となった、最強に恐ろしい階段。実はこの階段、橋の上から見ると垂直に見えますが、横から見てみると、普通の階段なんです。
再び橋の上に戻ると、最強に恐ろしい階段になるのです。
階段の上に立ってみると。
「オー、ゴッド」
この階段は半世紀以上も前に作られたといいます。
■地元の人「普段から使う階段」
駄菓子店の経営者
「私たちは普段から使う階段。子どもたちが川遊びしたり、アユ釣りのため」
昔からアユ漁が盛んなこの地域。実は階段は漁師さんの要望で作られたのです。
63年前、度重なる台風の水害対策として、護岸が作られることに。ところが「川に下りられない」と漁師さんから訴えが。こうして作られた階段が、まさかいきなり観光地になろうとは…。
「この村にこんなおもしろい階段があるなんて驚き」
宿泊施設の経営者
「かなり外国人は来ている。今週だけでもアメリカ、デンマーク、ベルギー、フランス」
洋服店の経営者
「このあいだもフランスの女の子が来て『面白い』って写真を撮って帰った」
実は、この階段がいきなり観光地になったきっかけがありました。それが、SNSに投稿された写真です。
投稿者 小林哲朗さん
「階段を見つけた時は面白いと思って撮影をした。ここまで広がるとは思ってなかった」
今では県も観光資源として注目。町巡りツアーのなかで紹介されています。
■タワマンに…84歳が切り盛りする「駄菓子問屋」
いきなり観光地になった場所は、東京にも。外国人が増えている荒川区日暮里。
タワーマンションの中にいきなり観光地がありました。次々と外国人観光客が入っていきます。彼らのお目当てはニッポンの駄菓子です。
創業して79年になる駄菓子問屋「大屋商店」。問屋さんですが、300種類以上の駄菓子を一般の人でも買うことができるんです。
こちらはアメリカから来た家族。
「これ何だか分かる?」
「マウンテンデュー?」
「そう、マウンテンデューのラムネ。あなたに買ってあげる」
聞けば、夫はマウンテンビューを生産する飲料会社で働いているそう。
お店を切り盛りするのは、大屋律子さん(84)。義理の娘さんがサポートしています。律子さんは商売上手。
「外国人さんは、皆コレを買っていく。日本の駄菓子屋で人気。パチパチっての。皆お土産に」
おすすめしたのは、口の中でパチパチ弾けるキャンディです。試食させてあげると…。
律子さん
「おいしいか?」
すべて日本語で接客。
律子さん
「英語できない。ローマ字もできない。でも通じる。外国人が来てもね。なんか言葉が通じる」
かつて、日暮里には160軒もの駄菓子問屋がありました。それがいまや、タワーマンションに入った大屋商店の1軒だけに…。なんとも分かりづらい場所にあるのに、いきなり観光地になったワケは?
中国から
「中国のSNSであります」
いきなり観光地になったことで、律子さんは忙しい日々を送っています。
律子さん
「ありがたい。お土産で買っていってくれるから。(大屋商店は)100年台いくよ」
[テレ朝NEWS] https://news.tv-asahi.co.jp
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